前回の記事の続きです。
前回の記事をご覧になってない方は、まずこちらをご覧ください。
https://teach.midream.ac.jp/2019/09/1115/
前回は「CEFR A2問題」に日本語学校が対応するために、どうしたら良いかということで2つの対策案を提示しました。今日はその続きで3つ目の対策案をご紹介したいと思います。
対応策3「日本語学校の卒業基準に、CEFR A2を盛り込む。」
日本語学校の「卒業規定」は各学校で定めて良いことになっています。学則を変えてこの卒業規定を変えてしまおうというのが3つ目の方法です。卒業規定を「出席率80%以上、かつN4以上の試験に合格した者」としてしまうのです。さらに、この基準を満たしていなければ、「卒業見込証明書は発行しない」とすれば、さらに効果が上がります。出願時に日本語学校の卒業見込証明書を求める学校は多いので、生徒に「N4を取ることの実利」を与えることになります。こうすることで、学生は嫌でも「最低N4取得」に向けて行動をしなければならなくなります。ただし、実際に卒業見込証明書が発行できなくなると、進路指導上困ることになるので、諸刃の剣になる可能性があるところに注意したいです。
告示基準では、「課程修了者」のCEFRA2取得率を公開するように要求しています。卒業がもらえずに、「満期退学」となってた生徒が「課程修了者」扱いになるかどうかは文言上では判断できないのですが、もし「課程修了者」にならないのであれば、卒業規定を変えることでCEFRA2取得者100%が自動的に達成できることになります。
少し荒っぽい方法ですが、こういう方法もあるということで選択肢の一つとして考えてみるのはいかがでしょうか。
このCEFRA2の取得率を公開しなければならないのは、2019年10月生からです。この生徒が卒業していくには1年半かかるので、また少し猶予があります。どのような対応策を取るにしても、今から何かしら対応していく必要があるのではないでしょうか。