日本留学試験(2019.11)の試験結果と偏差値

2019年11月に行われた日本留学試験(EJU)の結果が日本学生支援機構のHPに掲載されています。
https://www.jasso.go.jp/ryugaku/study_j/eju/about/data/result/index.html
そちらに記載されている内容の一部を紹介します。

■国内受験者数(日本語)
2017年 23,447人
2018年 26,376人
2019年 26,821人
年々増え続けていた受験者数ですが、今年はほとんど増えませんでした。
中国人は増えていますが、ベトナム人、ネパール人、スリランカ人などのアジア系が減っています。

■日本語の平均点(記述含まない)
2017年 244.5点
2018年 245.0点
2019年 248.7点
平均点はあがりました。おそらく過去最高です。
上がった要因としては、170点~200点ぐらいの層が減ったということが挙げられます。

■得点分布

今までの傾向としては、2017年のような「170点~200点の層が多く、正規分布になっていない」状態でした。
それが、ここ2年で正規分布に近い得点分布になってきています。

■得点を偏差値で評価する。
「何点でどこの大学を受けるのが妥当であるのか」という指標がないため、志望校決定の指導で困ることがあります。
日本の高校生なら模試の結果による偏差値と、大手予備校が発表している偏差値を参考に志望校決定ができますが、
留学生にとってそれにあたるものは残念ながらありません。
ただし、EJUの得点で偏差値を出すことはできるので、それを大手予備校が発表している偏差値と比較することで
参考にすることはできます。
(注)日本の高校生と留学生では受験者層と試験制度が違うため、試験内容が違ったり、試験難易度の相関関係が
違ったりします。この偏差値を妄信することは危険なので、あくまでも参考程度とお考えください。

■偏差値の出し方

(得点-平均点)÷標準偏差×10+50

この式で偏差値を求めることができます。
平均点と標準偏差は公開されているので、学生の偏差値を出すことができます。

■偏差値の評価 (※完全な正規分布であるときの理想値)
偏差値は「平均点を取れば、50」となっています。

50を超えれば、全受験生の中で半分より上という評価ができます。

60を超えれば、全受験生の中で上位15.8%以上に入れます。
(大学で言うと、GMARCHと呼ばれる有名校相当)

65を超えれば、全受験生の中で上位6.7%以上に入れます。
(大学で言うと、早慶、有名国公立大学相当)

■今回の試験の場合
平均点が248.7点、標準偏差が63.8となっています。
そのため、下のようになります。
偏差値50=248.7点
偏差値60=312.5点
偏差値65=344.4点

■今年度入試の傾向
これは、データに基づくものではなく肌感覚のものになりますが、
今年度の留学生入試は、EJUで出る偏差値よりも厳しい状況となっています。
特に偏差値50~60程度の大学の競争が激しくなっていて、合格しづらい状況となっています。
よって、EJUで248点~312点ぐらいを取っている学生は、大手予備校が公開している大学の偏差値よりも
少し下の大学を受けないと合格できないという実態になっています。

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